大忙しのシェムリアップ
あっという間に6日間たち、シェムリアップ滞在も残すところ僅か!
この6日間で何をしたかといえば、アンコール国立博物館を見に行き、ベンメリア遺跡、ロリュオス遺跡、バンテアイスレイ遺跡へ行き、あとは腹痛と生理による情緒不安定のため部屋に引きこもり寝ていた日々ww
1日が長いのなんのって…ずっとベッドの天井の記憶しかねーわw
あとはお土産探し!ずっと見てみたいと思っていたアンコールワットにはまだ行っていない。日曜にいこうと思う。
まず探しに行ったのは、made in cambodiaマーケット。ここには手作りの製品が揃ってるということで、見に行った。そこで日本人デザイナーがデザインし、現地の人々が織ったというカラフルなスカーフを4つ買った。ひとつ4ドル!でもいまいち、そのスカーフが作られた裏側のストーリーは分からなかった。パンフレットはあったけど、日本にありがちな、綺麗なモデルと商品の写真ばっかり。会社の説明もあったけど、ありきたりな感じで、あまりぴんとこなかった。綿がどこで作られてるのか、誰がどこでおってるのか。メイドインカンボジアを推すなら、現地で働く人たちの写真も欲しかったなと思う。
その日の夜、宿に置いてあった日本語のシェムリアップ観光案内ちらしに目を通した。そこにクメール伝統織物研究所という文字が。
面白そう!伝統という言葉が好きな私。私のばあちゃん、絹のスカーフが好きだって言ってたからタイでお土産に探してたんだけど見つからず。タイ空港の免税店でジムトンプソンで買うかーと思ったんだけど、チェックインに時間かかりすぎて搭乗ぎりぎりになり買えず。ここならいいのあるかもしれないなーと思って行くことに。
そしたら、これがまあ予想以上に面白かった!
なんとこの織物は100パーセント植物染で、蚕を育てて糸を作るところから手作りで、伝統的なパターンを使って、スカーフや布を作っていた!!
こ、こんなところで、こんなに自然いっぱいの製品に出会えるとは!まさか染色まで植物でやってると思わずに目から鱗。
身の回りで手に入る植物を使って染めているため、色のレパートリーは約6種類ほど。でも縦糸と横糸の組み合わせによって全体の印象は全く違うし、多様なパターンがあるから、ひとつひとつが全然違うの!迷う!!そして植物で染めたなんて信じられないほど色鮮やか!
その素材が、ココナツの皮、木の皮、虫の巣、バナナの葉と本当に身近なものばかりで、これまた驚き。(これらは必ずしも伝統のものとは限らない。創設者の森本さんの本曰く、伝統を引き継ぐと同時に、新しい伝統を作っていくのだと)
実際にショップの下の1階では、カンボジアの女性たちが、それぞれ役割分担して糸を紡いだりよったり、織ったりしていた。私はねえ…一体どうやってあんなパターンを作るのかずっと謎だったんだよ。なんで途中から色変わるんだ?って。
そしたらさ…発想の違いというか…糸を染める時に、既にその糸で何を編むか決まってるんだよね。それで染める前に、なめしたバナナの皮で、パターンごとに染める場所染めない場所を分けて覆って、それで糸を染める。その染めた糸を使って順番通りにおっていく。
なるほど…!
もうひとつ驚いたのが子供の多さ!みんな子供連れてきてて、子供たちが楽しそうにはしゃいでた!まだ乳飲み子もいて、その子をハンモックに寝かせて揺らしながら仕事してる方も。足が不自由な方もいたけど、使うのは手だけだから問題ないって。こうやって社会的弱者(言い方悪くてごめんなさい。ほかに伝えやすい単語わからん)にも仕事があるんだなって。
まあ商品はそんなに安くはなかった。というか高かった。カンボジアの物価でもこんなに高いのかと。私が買ったのは小さめのスカーフ。でも柄が入ってて、とっても伝統的なやつ。手触りも良かった。祖父母たちにはぴったりだなと思ったので、3つ購入。それと森本さんの本も購入して、約3万円…。わたしにはかなりの出費である。
しかし、金は天下の回り物!
自分のためじゃなく、祖父母は喜ぶし、地元の人もハッピー、みんなハッピー!自分のためだけじゃないお金の使い方は、気持ちよく使えるものだ。早く渡したいなー!喜ぶかなあ!ふたりとも今や老人ホームに入っちゃって、自由や楽しみも半減しちゃったろうから…。早く会いに行きたいな。私はファミリーコンプレックスなのだ。そんな言葉があるかは知らないけどw
それで色んなお話を、スタッフの日本人の方としてたら、その方が森も見に行けますよと教えてくれた!ハンカチ染織り体験もついて30ドル。それに加え往復のトゥクトゥク代が25ドル。
意外と高いトゥクトゥク代。シェムリアップで予想以上にお金を使ってて結構やばい。しかしこれは行かないという選択肢はないだろう。ハンカチ見せてもらったんだけど、すごく綺麗だったし!なんといってもシルクだからツヤッツヤだった!
森本さんはただ伝統の織物のやり方を伝えるだけじゃなく、良い布を作るために村や森も作った。染料の元となる植物や、生きていくための食べ物。その村では人々が役割分担して生きている。自分の得意である仕事に集中し、別の事は別の人がする。それってすごく良い環境だなと思う。もちろんお給料も出るけど、そこでは畑でとれた食べ物で生活するから、あまり給料に固執してないんだって。給料取りに行くのを忘れる人もいるくらい。
2011年には洪水があって大変だったらしいんだけど、村を囲む森が水をある程度堰き止めてくれたおかげで全壊は免れたんだって。流されたと思ってた家具や仕事道具も、ほとんど木の根や枝に引っかかって戻ってきた。自分たちが育てた森が、助けてくれたって。
森本さんやそこで生きる人々は、これを災害とは言わない。自然はたえず変わるもので、恵をもたらすだけじゃないと知ってる。
この話は、ほかの本でも読んだな。森は海の恋人ってタイトルだったっけな?その本でも、漁師は津波を恨まないって。津波の後の海は豊作になる。何事にも二面性がある。良い部分と悪い部分がある。
それを忘れて、勝手に自然のいいとこどりをしようとして、悪いことが起きた時に自然を排除しようとする。それは無理があるよ。自然はコントロールできないんだよ。
神さまにだって二面性があるんだから。荒御魂を祀って、悪いところもあるって知ってる。というかそういった自然から生まれた信仰だから、神さまに二面性があるのも当然というか。
昔の人たちはありのままを受け入れてたんだよなあ。
すっかりエコについて調べる気力をなくして、ただ観光してたけど、最後の最後にこのお店に巡り会えてよかった。見学したいと連絡したから、来週見に行けたらいいな。エコヴィレッジとして有名なんだって。
伝統を守ることは、文化だけじゃなくて自然も守る。考えたら当然のことか。昔の人たちは、身の回りの自然から材料を得ていたんだからね。森を大事にしてそこから得たもので、衣食住を作る。伝統はいわば昔の暮らしの知恵だからね。
だけどきっと森本さんは、自然環境を良くしようとして作ったわけじゃないと思うんだ。カンボジアの伝統織物に魅入られて、それを受け継いでいくために試行錯誤した結果、エコヴィレッジが出来上がった。とはいえ、本を読んでたら、森本さんはとっても自然を大事にする人だし、自然の本質もわかっている方だった。
彼は自分の生き様で、人々に伝える人だった。
私はそういう人を世の中に伝える人になりたい。だけど自分自身の生き様で伝える方が、伝わりやすいのかなって思う。それに興味のない人に、この人の素晴らしさを伝えても分かってもらえないんだろうなって最近思うようになった。
なんていうか、都会の人々は可哀想なものに目はむくけど、彼らの幸せを願う一方で、比べる事で自分の環境に満足しそうな。かなり毒を吐いたな今。自分は恵まれてるんだな、彼らには幸せになってほしいな。で終わる。続かない。
関わらないとダメだと思う。
アフリカの飢餓で苦しむ子供の写真を何枚も見たけど、私は正直寄付した事はない。可哀想だなと思うけど、どこか私にとって現実味がない。
だけどアフリカに行って、自分の目の前であの出来事が起こったなら、私はそこで沢山お金を使うだろうと思う。ひとごとじゃなくなる。写真は事実を伝えてくれるけど、現実じゃない。
私はどんなプレゼンをされたら、ユニセフに募金するか。こう考えると、興味のない人に支援してもらうって、かなり難しいわ。大切なことなんだけど、そこにお金をかけるメリットが分かりづらい。いや人命を救うこと以上に大切なことなんてないんだけど、でも、やっぱし私のお金も限られてるから、使い所というものがあってだな…。つらい!
そんなこと言いながら、私は明日、2万円もするスパを受けてくるわけですが。言ってることやってることが違うって?人間ってのは大変だよな、まったく。頭で思う正しいことばっかり出来ないんだものな。ユニセフに募金せずに、自分がスパを受けるメリットとは。でも自分の心身を健康に保つのも大切なこと。そしてこれは社会勉強と、現地調査でもあるのだ!
…はい、言い訳です。
まあそんなわけで、エコヴィレッジ訪問と、スパと、アンコールワット観光と、忙しくなりそうな予感!
タイでは全くエコに関わらなかったけど、最後の最後でこうして色んなエコが飛び出てきて導かれたなと思う。探さなくても、たどり着けることもある。それは正しい方向に歩いてるからなんだなって思う。
これまでがこれからを作るんじゃなく、これからでこれまでが決まる。
とある人のFBのお言葉が、身に沁みた日。
みんなクメール伝統織物研究所行ってね!
追記。
わたしゃ大事なこと忘れてたよ…。絹作るとき、蚕死んじゃうじゃん…。蛹の状態で繭の中で死んじゃって、繭をはがされたあとは、魚の餌になるんだって…。蚕殺しちゃうんじゃんね……。切ねえ…蚕ありがとう。
お蚕さんに限らず、ひとはほかの命をもらわないと生きていけないから…いっぱい感謝しながら、ぜんぶ背負って生きてかないとね。人生ってほんとに辛いわ。