イタリアで野菜を売る生活
ちゃお!
といえば、私がかつて中学生だった頃に流行った少女漫画の月刊誌。私はりぼん派。
今日でここでの農作業も7日目。毎日違うことやってて楽しい!今までのファームステイの中で、一番いろんな事やれてる。というのも、ここが種農家だからなんだろうな。顧客が個人でなく企業だからか、なんとなく雇われ農家って気分になる時がある…。
はい!今日のファーム仕事は、まず、トマトの種抽出作業。
こんな感じの木箱を使ったよ。なんて原始的な方法…!トマトを潰しながら、上から水をかける。果肉と種が下に落ちて、最後の網目には種だけ残る仕組み。(網目の漢字間違えてるねw) まっこれは別の人がやってくれましてー私はその間、とうもろこしの収穫と皮むき〜。
トウモロコシも例に漏れず、種用だぜーい。種用栽培の楽なところは、別に虫がいても構わないとこよね。とてもとても食べれたものではないっす。収穫はいいんだよ。簡単なの。
皮むきもね、一見楽に見えるよね。でもね…めちゃめちゃ虫が出てくるんだわ。芋虫系好きじゃないから、毎回つらい。
大体2個に1個は、芋虫がいる。いいよね、芋虫はさ。一回トウモロコシの中に入っちゃえば、あとは固い皮が外敵から守ってくれるから。芋虫たちはみんな、まるで高級マンションに住んでる気分だろうよ。私が皮をめくるとみんな優雅に寝ていたよ。トウモロコシの実に囲まれながら…なんて幸せ。芋虫の種類も3種類ぐらいあったかな…
いやほんとに気持ち悪い。触って潰したくないから、気をつけながら皮むき。でもだんだん可愛く見えてくる不思議。一応野に放してやったけど、きっと彼らは死んでしまったんだろう…。申し訳ないね。それから、たまにきのこ菌に感染したトウモロコシもあって、バイオハザードみたいになってる。そっちは可愛く見える事はついぞなく。まじ気持ち悪かった、、、
それが終わったら、温室の中に吊るしてある金網の上に並べていくよ。ここで乾燥させて、からっからにするのだ。それから種の収穫をするんだね。その頃には、あの芋虫たちもからっから…
それから、豆の収穫じゃ!これは野菜園の持ち主フィリッポと一緒にやったよ。彼の話もまた面白かった!
フラとフィリッポは、大学でagriculture sienceを学んだ仲間。agricultureと名前はついてるけれども、卒業後の進路としては農家になる人はほとんどいなくて、農業に関する指導や科学的分析、つまり企業に勤める人が多かったんだって。フィリッポもずっと企業だったり、ほかの農家さんのとこで働いてたんだけど、スーツを着て出勤する生活に耐えかねたらしい。なんでこんな事やってんだと。それで今年からフラの農地を使って野菜農家を始めたんだって!
当初家族は大反対だったらしい。大学で勉強したのに、農家になるなんてって。友達はハーフヒッピーが多かったから、誰かが仕事辞めるとパーティになったらしいよw ある日農園を見にきた両親は、彼の育てた野菜を食べてとても感動して、フィリッポの事をとても誇りに思うって言ってくれたんだって。なんていい話だ…!
そんな彼の稼ぎ頭が、豆!豆だけで全収入の3分の1を稼いだらしい。豆は手間がかからないし、めちゃめちゃたくさん収穫出来る。お客さんの需要もかなり高いらしく、すぐに売り切れるんだって。その反面、トマトは手間がかかる割に需要がなくて、腐らせちゃうらしい。だから来年はもっと豆に力を入れるみたい!私もトマトと豆があったら、豆の方が買いたくなるなあ。なんでかな?ちょっとレア感あるからかな?
1年目にも関わらず、既に彼は収入を得られている。リピーターのお客さんや、レストランからの発注、通りすがりの人。この畑は道路に面してて大きい看板を出してるから、夏は車で通りかかる人が見に来たんだって!あとは、近くのマーケットにもおろしていて、売付け価格は安くなるけど、無駄にするよりはいいし、スーパーで豆を気に入って直接買いに来る人もいるんだって!彼はSNSもしてないし、何の宣伝もしてないけど、口コミで広がってある程度の収入を得ている。それってすごい!私はいかに宣伝をするかが重要だと思ってたから。フィリッポいわく、最大の宣伝は、豆のクオリティを高めることだって。そうすれば自ずと口コミで広がっていくからって言ってた。ふむふむー。
しかしそんな彼も、今までに色々苦労をしてきたらしい。農業の事だけじゃなく、都会での暮らしとか諸々。
彼の目標は、少ない労力である程度の収入を得る事。そうして出来た休みに本を読んだり、旅行に行く。旅行もウーフィングやカウチサーフィンすれば、ほぼ交通費だけで済むからそんなにお金はいらない。収入は、家賃、食費、車代、旅行代をまかなえるだけあればいいから多くは望まないって言っていたよ。とても同感でござる。
ここには若い人たちも結構いるから、つまらなくなる事はないだろうな。たまに友達同士集まってランチしたり、ワインを飲んだり。時にはひとりでゆっくり本を読んだり、散歩をしたり。よいね、そういう暮らし!周りに気の合う仲間が沢山いるのがポイントだと思う!
そんな彼に私はひとつ愚痴をこぼした。日本で自家採種禁止法が作られちゃいそうだって。私が馬鹿馬鹿しい法律だ!って言ったら、フィリッポの第一声は、「馬鹿馬鹿しくないよ。一部の人たち、政府と種売り業者にとってはね」って。もちろん禁止法には反対だったけども。
そうなのよねー。儲かる人がいるのよね。うむー…しかし彼の第一声に私ははっとしたのじゃ。私の場合、それが悪いものだって決めてかかる。主観的すぎるというのかな?対してフラやフィリッポは、客観的に、物事に対して反対であっても、メリット面と誰が得するかをちゃんと捉えてる。世の中の仕組みが分かってるんだよねえ。特にフラは、ロジカルとかセオリーという言葉が好きで、すごく現実的に順序立てて物事をとらえてると思う。(悪く言えば、頭固いと思う時があるw) 私が肉を食べない事は解決にならないと思うって言った時も、いやそれは唯一の解決策だよって。でも全人類がビーガンになれると思う?って言ったら、笑いながら、セオリーでは全人類が肉食をやめたら問題は解決するって。そりゃそうなんだけど、絶対そんなことは起きないじゃんー!
とまあ、話はそれちゃったけど。フィリッポは足るを知る人なので、自分が本当にやりたい事だけに向かって生きている。いいなあ!
それから私は先に仕事を切り上げて、ヴァレリアと一緒にニョッキ作り!!イタリアっぽーーーーい!!
材料はポテトと小麦粉だけ。今回は試しにビートルーツを少し混ぜてみたよ。ポテトを茹でて〜にんにく潰しの大きい版に茹でたやつを入れて潰す!潰したポテトと小麦粉を混ぜてこねる。ニョッキはとても柔らかかった…!それを適当な大きさに切って、茹でるだけ〜簡単!
それと同時に、バジルペーストも作ったよ!オリーブオイル、にんにく、つみたてバジルと塩。それをペースト状にするだけ。
完成したのがこちら!
ピンクニョッキー!めっちゃ美味しかった!ニョッキ、ちょっと手間はかかるけど作り方自体は簡単だったから、日本に帰ったらまた作ろう。
ところで私はシャケのホイル焼きを作るつもりでサーモンを買ったんだけど、案の定、寿司を作れるか聞かれw 作る事になったよ笑 大丈夫かな…相変わらず自信ないんだけどw そしてこの家には、巻き簾(巻き簾っていう?なんか意味違う気が…?)がないからな…どうやって巻こうかしら。そのまま巻くしかないか…私は巻き寿司より手巻き寿司の方が好きなんだけどなー。まあ具が揃わないから、海外じゃ、サーモンアボカドが一番簡単なんだけどさっ。
そんな一日。午後は雨が降って、山に霧がかかったよ。かっこいい!
甘噛みしてくるバカ犬がこないか、ビビりながら外で和む笑 いつもバカ犬に見つかったら走って家に逃げる。バカ犬の力が強くて、甘噛みのせいで両腕には痣がたくさん…元トリマーだけど、どうしても犬になめられる…ほんと向いてないわw
夜はファラフェルを作ってみた、大豆で!ファラフェル大好きやねんーでも作るのはじめて。大丈夫かしらドキドキ…スペインで作ってるの見てたからたぶん大丈夫…あとは揚げるだけ。早くみんな帰ってこないかなー。
みんなで絶対一緒に晩御飯!って決まってるわけじゃないけど、大体20時ぐらいにみんな帰ってくるから、それまで待つ。なんかひとりで先に食べてるの寂しいし、協調性がないよね笑 とはいえ、昼ごはんの後大体昼寝してるからいつも夜はそんなにお腹空かないんだけど!
本当は茄子の天ぷらも作ろうと思ったのに、たった2日で茄子はなくなっていた。今ある野菜は玉ねぎ、ジャガイモだけw 明日は何も作れないな…w
追記: 卵がなくても作れるだろうと挑戦したファラフェルは、卵がないとくっつかず、ぐっちゃぐちゃにw 卵ってそういう役目だったんだね。ちゃんと卵をいれてやり直したから、無事に美味しいファラフェルが出来た!これはみんな美味しいって言ってくれたから良かった。作り方簡単だったし、予想よりも油が全然残らなかったから、これは今後も積極的に作っていきたい!そのためにはフードプロセッサーが必須だ!買おう。
でもファラフェルだけじゃ食進まないよなあと思ってたら、フラはレタスでサラダを、フィリッポはスペイン風オムレツを作ってくれて、一気に豪華な晩御飯に!こうやって1人1品ずつ作れば、負担少ないからいいね。本当にこうして気負いなく1品だけでも料理を作れるようになって良かった…。大成長だ。
ちなみに、日本に帰ったら、ルームシェアをしようかどうかめちゃくちゃ悩んでいる。なにせ一軒家庭付きを借りたいから、ひとりじゃ払えない。妹と住むのもありだけど。それだと私が妹をコキ使って楽しそうだし、今のステイ先みたいに、たまに集まって料理作ってっていうのもいいなと思う。でも気の合うルームメイトもいつな家を出て行くだろう。日本ではなかなかルームシェアってメジャーじゃないだろうから、次の入居者を探すのも大変そう。外国人留学生とかありかも?でも一人暮らしの楽さも捨てられない。洗い物放置できるし…。
うーん。マンダラガーデンを作るための庭と、図書室の確保…。